私たちは
視覚・聴覚・嗅覚・味覚・身体感覚という
五つの感覚器官から受け取った情報によって
いろいろな体験をしています。

五感のすべてからは
絶えず情報が入ってきていて脳に電気信号として伝えられています。

ところが
脳は、受け取ったすべての五感情報をそのまま処理するのではなく
必要なものだけを選択し(削除・省略)
パターン化し(一般化)
脚色して(歪曲)
脳の中で情報を加工して再構築して表出します。
それを私たちは「現在」として認識体験しているのです。

さらに、脳の中で情報を加工して表出された体験を
言語化するときにも
【削除・省略】【一般化】【歪曲】が行われています。

なぜ、このような仕組みを脳は獲得したのでしょうか?

人の器官の中で最もカロリーを消費するのは脳なのです。
脳は劇的な進化を遂げて、高度な情報処理システム機能を
獲得してきました。
情報処理の実態は脳細胞の化学反応で
それには大量のカロリーを必要とするのです。

それに対して
カロリーを摂取する消化器官は
あまり進化をしてきていません。
なので
脳がフル稼働するためには
圧倒的にカロリーが足りないのです。

脳機能科学者である苫米地博士によれば
脳がフル稼働する際に必要なカロリーは
電力に換算すると
変電所ひとつ分のエネルギーが必要なのだそうです。

そこで脳がとった戦略は省エネルギー。
五感から入ってくる情報を
必要なものだけにカットして
パターン化して過去の記憶という情報で代用できるものはそれを使い
情報を省エネモードで処理しています。

今、あなたは
パソコンか携帯かで、このブログを読んでいます。
このときも
耳からは様々な音が
身体からは、足の裏や座っているお尻に感じる重力
気温など
五感から情報が入ってきていますが
「ブログを読む」という目的に不要な情報はカットされています。

今言われるまで
自分の耳に入ってくる様々な音に気付いてなかったのは
情報の削除の典型的な例です。

そして
脳にあるビリーフ・システム(信念体系)や
価値観、メタプログラムといった
様々なプログラムによって
情報を加工する際のフィールターが決定されています。

引っ越しをしようと決めると
とたんに街中の不動産屋さんが目に飛び込んでくるのも
この例です。

このようにして
五感から入力された情報は
脳のプログラムに従って加工処理されて
脳の中で体験として表出されているんですね。

なので
人は誰しも
物理空間の現実を、そのままの現実としては認識していないのです。
その人それぞれの脳のやり方(プログラム)に従って
加工処理されたものを
「現実」のリアリティとして体験認識しているのです。

そのようにして
脳で情報処理された「現実」を
NLP:神経言語プログラミングでは
MAP(地図)と呼んでいます。

そして、これまで説明してきた事を
短い言葉で
「地図は領土ではない」
と表現しています。
参考記事:NLPの基本前提

MAP(地図)は
その人の脳のやり方で創りだされた世界モデル。

同じ夕陽を見ても
人それぞれ感じるものが違うのは
脳にあるMAPの違いということなのです。

以上は
脳の五感による情報処理のプロセスです。
参考記事:表象システム

そして
私たちは、これにもうひとつの要素を加味して
情報処理をしています。
それが言語です。

映画のように脳内で上映される「現実」に対して
私たちは、それを言語化して
自分自身や他者とコミュニケーションをしています。

この言語化するプロセスにおいても
情報の【削除・省略】【一般化】【歪曲】という加工が行われます。

これは
コミュニケーションをより円滑に行うために
脳が獲得した機能でもあります。

「昨日は寒くて雨でしたねぇ」
「そうでしたねぇ」
よくある普通の会話です。

ところが
この会話には多くの情報が欠落し歪曲されています。
寒いと言っても、北極に比べたらめちゃくちゃ温かい。
雨と行っても、実際は降ったりやんだり。
だけど
それらをいちいち言葉で言っていたら
会話であるコミュニケーションは成り立ちません。
会話のきっかけを掴む挨拶には
「昨日は寒くて雨でしたねぇ」で十分ですよね(;^_^A

いちいち、昨日の天気を予報士のように言われたら
おそらくあなたは、引くことでしょう。
「なんか、ヘンな変わった人だな」って感じで。

本来は、コミュニケーションをステキにするために脳が獲得した
言語化における情報加工のプロセスなのですが
これが、やっかいな状態を引き起こす事もあります。

「いつもお母さんがガミガミうるさくて勉強する気にならない」
よく子どもは、そう言います。

お母さんだって機嫌よく、笑顔で優しい時もあるのですが
「ガミガミ言われた」体験を言語化するときに
「お母さんはいつも」と情報を一般化してしまいます。
(嫌な感情が強ければ強い程・・・・)

具体的には、怒る時も優しい時もあるのですが
「いつも」と一般化しているのです。

これのどこがやっかいなのかというと
「いつもお母さんはガミガミうるさい」と
言語化されるということは
ラベルを貼り付けることになり
お母さん=いつもうるさい
という固定されたものが
この子どもの脳内で「事実」として格納されます。

お母さんとの関係という体験は
本来は多種多様なバラエティに富んだアナログ的なものなのですが
「いつもお母さんはうるさい」という言葉によって
固定化(デジタル化)されてしまい
それが、お母さんとの関係における「事実」として
脳が認識してしまうのです。
つまり、これがビリーフ(信念)というものです。

そして、このブログでたびたび書いているように
ビリーフ(信念)を証明するために
脳は24時間休むことなくフル稼働する特性を持っています。

どんな情報が五感から入ってきても
「いつもお母さんはうるさい」というフィールターを通して
体験することになります。

そして、たとえお母さんが優しい時であっても
「何か裏があるんじゃないかなぁ・・・」と
優しささえも、ビリーフを証明する根拠として
無意識のうちに自動的に脳はとらえるようになるのです。

本来は、コミュニケーションを円滑にするための
言語の情報処理プロセスが
本人から自由を奪ってしまう事に働く場合が
ままあるんですね。

これら
言語における情報処理プロセスの構造を
NLPではメタモデルと呼んでいます。

そして
メタモデルを勉強して理解するという事は
他者とのコミュニケーションや
自分とのコミュニケーションを
不都合な信念から解放させて
より豊かにする事を意味します。
連載講座:メタモデル

また、メタモデルをより知ることによって
無意識のうちに形成されてしまった
人の可能性を封じ込め制限をかけるビリーフ(信念)を
可能性を広げ、モチベーションを創出し
出来ないことを出来ることに変容させる
役に立つビリーフへ書き換える事が出来るようになります。

メタモデルというNLPの言語テクノロジーだけを使って
うつ状態を解消することも出来てしまうのです。